昨日は家族でプールに遊びに行きました!

全身真っ赤にひやけしたのじまきです。特に肩と背中が痛いです。

さてさて、先日、佐藤君と「カードマジック事典ベスト3は何か?」という話がありました。

もちろん、「トライアンフ」や、「アウトオブジスワールド」等を挙げても良いのですが、セリフ回しや、細かいハンドリングが省略されていることと、作品の知名度があまりにも高すぎるので除外しました。

まあ、結局3つに絞ることは出来なかったのですが、個人的に、「カードマジッック・ザ・ベスト」を作るのであれば、これだけは入れておきたいという作品が1つあります。

それは、高木重郎氏の「二重の入れ替え」という作品です。

少し話が飛びますが、故・片倉雄一氏の代表作の1つに「ダブル・ショック」があります。

これは、バラバラな4枚のカードが、4枚のAに変化し、次の瞬間には4枚のKに変化するという、とんでもない現象ですが、大胆なスイッチと、オフビートを駆使して、見事に成立させています。

氏が、自身のレクチャーノートでも語られておりますが、この手順の最大の特長は、「クライマックスで何もしない」ところにあります。最初の現象が起こった地点で、すでにクライマックスの準備が全て終わっているのです。

観客が、マジックが終わったと思ったところで、何も怪しい動作無しに次の現象が起こるのですから、そうとう優れたマジックです。

話を「二重の入れ替え」に戻します。この作品も、またクライマックスで何もしないのです。それどころか、最初のAを示した段階で、すべての準備が終わっているのです。

たった1回の技法で2つの現象の準備が終わっている、という巧妙さに当時高校生だった僕はマジックの奥深さを学びました。

そして、人に見せたときに、このトリックのもつ表現の難しさを体感しました。2段とも、移動現象ではありますが、1段目と2段目では、現象の質が全然違うんですよね。

自分なりに、色々と見せ方を考えてはみましたが、未だに決着のつかないトリックの1つでもあります。

まだ試したことの無い人は是非、演じてみて下さい!

ちなみに、これと同じ手順を、マーローも発表しているという話を聞いたのですが、歴史的にどちらが先か、はたまた別々に思いついたのか気になるところですが、傑作な事に違いは無いでしょう。