こんばんは。
佐藤です。

9月に読み終わった本はありませんでしたので、今回は10月に読み終わった本をご紹介します!

【Cardician by Edward Marlo (1953)】
画像 001本著は、エド・マーローが書いた数え切れない書籍・冊子の中でも代表作のひとつでしょう。
現在カード・マジシャンのことを「カーディシャン」と呼ぶようになったのも、マーローが名付け親です。

わたしが読んだのは、1987年の第8版です。何よりも、初版が1953年ということに驚きです。というのも、現在の視点で見ても、質・量ともに圧倒的だからです。"Penetration"や"Oil & Water"、"Mental Reverse"などマーローがポピュラーにしたプロットが詰まっています。

本の構成としては、それ以前に雑誌に発表していたものを再録している章がはじめにあり、その後、1つの技法の解説の後でそれを使った数手順の解説、という流れがメインです。マーローの作品解説の特徴として挙げられるのが、バリエーションの多さです。ある現象を解説するのに、それを達成する方法が「第1法」、「第2法」、「第3法」…と連なっているのです。ともすれば、読んでいる側はいい加減うんざりしてしまうのですが、これこそがまさにマーローがあらゆる方法を「とことん考え抜いている」証拠なのです。

何も考えずにとにかく思いついたものを残さず発表しているように見えますが、解説されている方法のひとつひとつは実に磨き上げられているのです。たまに、「えっ!?これでいいの?」というシンプルな解決策になっているものもありますが、これも考え抜かれた末に思いついたもので、実際に言われなければ思いつかなかったであろう方法もたくさんありました。

それにしても、マーローという人の評価はマジック界でもとても難しいらしく、わたし自身もマーローに対する印象は二転三転しています。最初はあらゆるアイデアとともに名前を聞くのですごい人だというイメージ、それからいろいろ調べていくにつれて、それが実は元々違う人のアイデアでマーローはちょっといじっただけだというようなことを知ってがっかり・失望と続きます。しかし、最近はそこからさらにもう一度あらためてマーローはすごいという評価に変わってきました。「ひらめき」型の天才ではなく、「努力」型の天才と言えるでしょう。

【New Self-Working Card Tricks by Karl Fulves (2001)】
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実際に写真に写っているのは、Karl Fulvesの「Foolproof Card Tricks」というペーパーバックの本で、この本はそれより以前に刊行された「New Slef-Working Card Tricks」と「More Self-Working Card Tricks」の合本になっています。そして、前半の「New〜」の方を読み終えたというわけです。

詳しく調べていないのですが、おそらくはKarl Fulvesが自費出版した小冊子などから抜粋して、それをやさしくアレンジした作品群なのだと思います。

平均的なマジシャンだったらここはこうするだろうなというところが、大胆な工夫によって技術的負担がほぼゼロになっており、アレンジの苦心の跡が窺えます。その分、一部で不自然なハンドリングや野暮ったい部分を感じるのはある意味でしょうがないところだと思います。

とは言っても、作品は素晴らしいですし、原理的にも賢いものが数多く載っていますので、宝探しのようにお気に入りの作品を探すのも楽しいかもしれません。また、不自然とは言っても、マジシャンからの視点であって、きちんとセリフや演出でカバーされていますので、マジックをしない人には何ら問題ない部分も多いと思います。

そして、(先祖返りの方向になる可能性はあるとは言え)自分なりに作品をアレンジすれば、きっとレパートリーになるような作品が見つかるはずです。

技法を使うことにあまり抵抗のないわたしには、こういったやさしくアレンジする方法もとても参考になりました。

価格も安く、国内でもネットで手に入りやすいので、オススメです。また、英語も平易ですので、マジックの洋書を読み始めたい方にもいいかもしれません。